独りぼっちにさせないために 大切なペットの行先を遺言書で備える方法

一人暮らしの高齢者の方にとって、ペットはかけがえのない家族です。日々の生活を癒し、支えてくれる存在です。だからこそ「もしも突然自分に何かあったら、この子はどうなってしまうんだろう・・・」そう不安に感じる方も少なくありません。とは言え「ペットのための信託って難しそう・・ハードルが高い」と感じる方も多いようです。

そんなときに役に立つのが、遺言書でペットの行先を決めておく、という方法です。

簡単に分かりやすく説明していきますので、是非参考にしてみてくださいね。

目次

なぜ遺言書か必要なのか

ペットは法律上「動産」になり、「財産」として扱われます。

飼い主に万が一のことがあった場合、ペットのお世話を引き受ける人が自動的に決まることはありません。

「きっと子供が」「きっと近くの兄弟姉妹が」と思っていても、必ずしも引き取ってくれるとは限りません。

日頃から口頭で「もしものときはお願いね」と伝えてあったとしても、いざとなったら家族に反対されるかもしれません。明確に意思を残しておかないと、なかなか引き取り手が見つからず、長い間飼い主の家に独りぼっちで置き去りになってしまい、最後には保健所に・・・なんてことにもなりかねません。

遺言書で「◯◯さんにペットを相続(遺贈)させる」と記しておくことで、大切な家族の未来を守ることができるのです。

遺言書でできること

・ペットの引き取り先を指定できる

・餌代や医療費などを賄うために「ペットのためのお金」(飼養費)を一緒に残すことも可能

・信頼できる人に「遺言執行者」として手続きをお願いできる

これらを組み合わせることで、ペットが新しい環境で安心して暮らせる準備をしておくことができるのです。

準備の流れ

1. 引き取り手になってくれる方と事前に相談する

 遺言書は契約とは違い、単独行為になりますので、本人の意思だけで作成することができます。

でも、託される人が内容をよく知らなかったらどうでしょう?きっと戸惑うこともあるに違いありません。必ず、引き取り手となってくれる人に事前に相談し、了解を得ておきましょう。

2. ペットに必要な費用(飼養費)や生活習慣、かかりつけ医などを整理しておく

 いつも食べているフード、お気に入りのおもちゃやベッド、毎日のルーティン、いざという時のかかりつけ医などを分かりやすくまとめておきましょう。そうすることで、託される人もペットも、安心して早く新しい環境に慣れることができます。

3. 専門家(行政書士など)に相談し、遺言書にしっかり残す。

 きちんとした遺言書にしておくことで、手続きがスムーズに行なわれ、時間をかけることなく新しい飼い主さんの元へペットが引き取られます。相続人や引き取り手の負担も軽くなります。

この3ステップで、安心の備えができます。

まとめ

「遺言書でペットの行き先を決めておく」ことは、飼い主にとってもペットにとっても安心につながります。

大切な家族の未来を守るために、元気な今のうちから少しずつ準備をしてみませんか?

不安なときは、専門家に相談することも選択肢の一つです。当事務所はあなたペットの幸せな暮らしをこれからも安心して続けていけるように、お手伝いいたします。

是非お気軽にご相談ください。

 

 

 

この記事を書いた人

愛知県の行政書士です。
50代から資格取得、登録、開業しました。
主な取扱業務:酒類販売業許可申請、医療機関行政手続き、遺言書・相続、ペットのための信託、後見等。
お気軽にご相談ください。

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